幾星霜

わたしのため、書き置き

邦画【愛の渦】2016.07.24チャンネルNECO

映画『愛の渦』

 

これなんなんやろ。

愛の渦見て欲についてぐるぐる考えてる。やっぱどうしても私には気持ち悪く見えるねんなあ。本能とかそういったサムシングは動物臭くて。人体キッッッショってみんなならん???

 

出演者が柄本時生さん、田中哲司さん、新井さん、滝藤さん、麦ちゃんってことで完全にキャスティングの好みと邦画的ディストピア感に釣られてチャンネルNECO日本映画専門チャンネルで見たけど、殺伐としてそうで殺伐としてない、ちょっと殺伐とした割り切り乱交パーティーって感じやった。

 

あらすじは、会員制ハプニングバーに集まった初対面の男女数人が朝まで取っ替え引っ替えセックスしまくり情が湧いたり揉めたりヤったりみたいな。

 

とにかく田中哲司が最高やなあ。出番自体は少ないのに、ぴりぴりした支配人の空気がすごくセクシーで、脱いでなくても一番色気を感じた。

店側の人間で言えば窪塚洋介も、本人自体不思議な空気を持った人やからこの客たちから一歩離れた、というか一歩分宙に浮いたようなキャラクターがぴったり合ってたように感じた。TOKYOTRIBEのときも思ったけど窪塚洋介、ちょっとスピリチュアル味があって好き。

 

なんというか、スーツも制服も脱いで仕事も家族も忘れて、ごく人間的な生活を全て投げ出してセックスする人はもう剥き出しのアニマリズムに人間性を吹き飛ばされて動物であるといっても過言ではないんちゃうん?

 

でも一通りヤッたら性欲回復するまで世間話したり、そういう部分から人間って真に動物にはなられへんのかなとも思えて、ムズカシイ。

性行為は本能的なものやけど、やっぱどうしても人間的な生活の中にあるもので私たちは獣のようになんて言っても本物の獣にはなられへん、のかな。それっていいことなのか、悲しいことなのか。私にはわかんない。

 

ハプニングバーで性行為を目的に集まった割り切りメンバーなはずやのに気づいたらニコイチ的な精神性が生まれててヤキモチ妬いたりそういうの、邪魔くさいよなあ。だからみんな性欲と感情の中で揺れ動いてわけわからんことになるんやろうな。

 

セックスの結果は結果でも、ただただ性欲の解消として集まった人間同士に生まれた人間関係っていう副産物と窪塚さん演じるスタッフに出来た「子供」はものすごく遠くて、セックスって行為自体は動物的でも人間的でもなくて、あとから私たち人間がつける意味次第なのかなって少し思った。

 

あと、役者さんはみんな凄く良かった!

門脇麦ちゃんの醸し出すあの雰囲気はひきこまれるというか、ちょっとしたドラッグみがあるよね。新井さんはシンプルにえろいし軽い雰囲気がちょっとこわいしそこがまたよくて、時生ちゃんは金髪パンク仕様で出番は少なかったけどそこそこインパクトがあって時生ちゃん大好きマンとしてはめちゃ満足でした。

 

愛とか性について悶々としてるなら一見の価値あると思います。

 

これ観たあと気になって大阪のハプニングバー事情についてちょっと調べてみたけど、ほんとに危険と隣り合わせ臭いし(身バレやら待ち伏せとかプライバシー系のものから病気まで)しかも映画見てるだけで息詰まりそうやのにこんな空気一晩中体験するとかやばすぎやと思った。アングラ性産業はまだ早いなと心から感じた二十歳の夏でした。

 

自分みたいに勇気ない人間が勇気出しちゃった時の微妙な空気感とか、ベッドまできた時の行為までの流れとか、ほんとに嫌になるくらいリアルで生々しくて、それが良かったり悪かったり、、、とりあえずみんな見て。

葛河思潮社【浮標】2016.08.14昼

浮標感想。

書きかけですが。疑問に思った部分とか。

 

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少しの悪意がある人間が汚くて、搾取されるだけのお人好しがきれい。
悪意に敏感だけど、自分を守ることは悪意なの??妹はきれいな人間じゃないの?金貸しの彼も。自分の定めた快復というゴールが見えなくなってそれを他のことに当てはめるのは安易では。でも戦後、絶対的な勝利を信じてた時代に辛いことが重なったから絶対のあんしんを求めたくてでも裏切られて信じられなくなったのかなあ。ごろうさん、、絵を描いて欲しい。

どうしてそんなに善悪にこだわるんだろう

1幕終わりの大きな波音が印象的だった。

ちゃんと寝てからくるんだった…

田中哲司ってこんな人だったっけ…?ドラマや映画でなんども見た馴染みのある俳優さんなのに、最初から最後まで舞台に立っているのは田中哲司じゃなくて久我五郎だった…

久我五郎の苦悩と情緒がつらくて、才能があるってことは活かさないといけないって何かに脅迫されてるってことなのかとも思う。

PARCO produce【ツインズ】2016.01.07昼

ツインズ、凄く凄く良かったです。

 

長塚圭史という人は本当に天才なんやなあ。

1月7日にして今年一番の芝居、決まりました。

ということで観劇直後に思いつくまま書き散らしたツインズの世界観考察と萌え語り。

 

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鋼太郎さんは妹のエリコのことが好きで、エリコが身を投げたのを止められなかったことを後悔しすぎて心が壊れた?
エリコが待つ海に自分もいつか身を投げると決めて、トムさんに「これは海水だ」と言わせたブルーハワイ(鋼太郎さんの自覚あり)を飲んでる。

エリコの死は理解しているよう。
むしろいまの自分の生きる目的(魚になって海にいるエリコに会いに行く)はエリコの死によって与えられたものだとして愛しさを抱き享受してる…?

エリコによって与えられた悲しみを噛みしめ、エリコのために死のうとしている自分を心地よく思っている可能性も、、

 

食による迎合→冥府の水
水、貝、野菜に敏感だったところから見て放射能汚染…?
わかってても観ない知らない気にしないほうが生きやすいってことなのかな。
↑タクトと最初のハルキがみんなに基地外扱いされてた点から。

古ちんがバットに頼った理由はわからず、、
なんでトムさんがそれを折って反撃できるほどの手練れなのかも。

トムさんがハルキ実家にいる理由はわからず。
旦那さん、鋼太郎さん、その他の人が夢に陥るための手助け?トリガー?の役割を引き受けてる…?

りょうさんの目的は不明
むしろ、風潮と救いの具現化…?

魚の双子は一体何やったんや…

なんでイラちゃんはすぐにトムたちに迎合したの?じわじわと自分が死ぬことを望んでいた…?

むしろ汚染されてない暮らしをして生きながらえ夢の中でだけ生きるようになった祖父を見て、自棄になったか。

古田さん、海辺にいる多部ちゃんりょうさんトムさん(セックスの話の後)のシーンで出てきた時の、
カーキのモッズコート(ふわふわ無し)前開き袖捲りありでフードを深く被って塗装用マスクみたいなのしてたのめっっっちゃえっちかったやばい…!!!!
バット片手で振り回すのかっこよすぎか???えろ???

最初の登場のシーンでも、バットでソファついて背もたれに座ってたのめっちゃ可愛かった。
コーヒーをびちゃーって床にぶちまけるシーンも、表情のない感じがこれまた色っぽくて…

元古田さんの部屋でイラちゃんとオーストラリアでしたいことの話してた時に、一人称が「お父さん」になって、いつも強張ってた表情が明るく柔らかくなってたのほんと父性あふれすぎてア゛ーーッ好きーーーッ!!

血の付いたシャツもなんだかセクシーすぎて…
鋼太郎さんとの対峙シーンはどこも良かったなあ〜
コーヒーをふけ!!のとこもそうだし、父さんに会えってとことか、イラのオーストラリア行きのとこもだし。

でも、鋼太郎さんが身売りしろって言ったのはびっくりした。イラにも優しく接してたのに。子供がいないから、弟を少し羨んでた…?
弟への劣等感をエリコへの想いに全部すり替えてたのかも。

ユキとタクトはなんなんや。
あーーー!!!双子ってもしかして元から奇形児???魚っぽかったんじゃない????
だからタクトは子供を見たがらないし抱こうともしなかった!!
イラの抱っこした双子が海に飛び込んだのは本当!だって双子は魚だから。
鋼太郎さんが、赤ん坊はまだハイハイもできないってタクトに言われて「ハイハイは、な…」って言ってたのは「泳げる」or「海に帰る」ことを知ってたから。

セックスの話の時に出た「動物」という単語も人も試行錯誤(核開発)のすえ海に帰る(魚に戻る)ことを暗示してたのかも…

イラがセックスの話の時に、試行錯誤して結局は元に帰るって言ってたのは性行為だけじゃなく生全般に対して言ってたのかも!
人間は海に帰る、って。

 

それにしても古田さんがオールバックを撫で上げる仕草めちゃくちゃかっこよかった〜;;💕
両手で撫で上げたり、左手で左側だけ撫で上げたり、めっちゃセクシーやったし右目側の前髪がちょろっと垂れてたのも死ぬほどセクシーでした。

ズボンはカーゴパンツ。いかつい感じがめちゃくちゃ似合っててほんまにも〜〜!
Vネックカットソー(生成り)+羽織シャツ無地+カーゴパンツかな?
白髪交じりのオールバックやばい…セクシー…

双子の魚が男の赤ちゃんと女の赤ちゃんなのは、
「男の人魚と女の人魚が交わって繁栄してきた」というセリフにつながる…?

 


観た直後は、彼らの置かれた状況から「追い詰められた環境とそれらに対して個人がどうやって折り合いをつけて生きていくか」みたいな物語だと思ったけど、やっぱりパンフレットを見る限り歪んだ家族の物語で、特別な状況下に置かれた、特別仲が良いわけでもないけれど「今」一緒にいる血縁同士が、否応なしに影響されあっていくのがテーマなのかなあ…

それにしても古田さんがボンゴレパスタを急に「一口食べる勇気が湧いたんだ!!」って言い出したきっかけというか理由がパッと浮かばないです…

てか鋼太郎さんってアパレルのお仕事だったんだね。
てことは都会に出てたのかな…?

お金のやりくりの話の時に「何年も前から」って言ってたり退職金がって言ってたから、もしかしたら退職するまでは都会にいたのかも…?
実家は海見えるとこらしいけどどこだろう、訛りもないし。

 

主にトムさん、後半はタクトとハルキさん。
よく大事な場面で「アレ」という単語を使ってたのが気になった。
「アレだから」「アレして」「アレだ」
そのアレについては言及されないけど、みんなその「アレ」の内容を共有できてるの…?話通じてる風に進んでたけど、みんなの頭の中の「アレ」は同一なの??

 

もう一度観たい、再演、映像化、よろしくお願いします。

劇団鹿殺し【名無しの侍】2016.07.29夜

iPhoneに書き留めてた原文そのまま。

以下メモ書き的個人の備忘録なのであしからず。

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名無しの侍おわったー。

ひとまず、、田舎の侍ってこんな話だっけw

 

なんか中途半端に虎蔵とか出てくるから謎の違和感すごかった!!あとやっぱスポットのあたるキャラクターが増えた分話がとっ散らかって、感動も薄かったし盛り上がりもイマイチだった。

やっぱり比べちゃうけど、田舎の侍の信長はあんなに「目指すべき場所」てして君臨してたのに今回の信長はあっさり出てくるししかも虎蔵とのあれこれも薄い…

 

ドパンク時代劇ってことで挿入曲たくさんあったけど、どれもそんなに…??鹿殺しの曲はやっぱりバンド編成プラス金管楽器がいいから、今回はそれが少なくてちょっと残念。しかも印象に残る曲もなかった。(田舎の侍以外)

 

あとシリアスで締める感じなのかなと思ったらサイボーグとか三途の川とか閻魔様とか。ギャグ要素?も不発感が否めないしどっちつかずで観てるこっちも若干さめそうだった。

虎蔵、二郎三郎、伝蔵、ナオ、このうちの誰かに絞ってればもっと面白くなったのになって思う。

 

ただ大人数の殺陣はやっぱりいい…でもどうせならもっと主人公達に深く絡んだ「竹千代銃撃」のシーンみたいなのがもっと欲しかった。

 

虎蔵が欲?に目が眩んで闇落ちした時の表現ももっと沢山あったら良かったのに。「信長」になった虎蔵の恐さがそんなに描かれることなく虎蔵もきち伝蔵の鬼ごっこになったからちょっと物足りなかった。「来るとこまで来てしまった感?」がもっとほしかったな、、だって季節巡るほどみんなでずっと殺し合おうとしてたんだしさ。

 

終盤の大立ち回りのシーンは凄くかっこよかった!!暴れまわる虎蔵に捨て身の伝蔵。圧巻やった。あとベースの低音刻さんwめっちゃ暴れながらベース弾いててめちゃかっこいいしこのシーンは目が足りなかった!


なんか田舎の侍が好きだっただけに凄く肩透かし的な作品でした。
ツチノコ、キルミーと不発続きだったし、もう鹿殺しは合わないのかも。